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TURNAROUNDができるまで(ⅱ)

屋根の家

を建物探訪で見てからというものの、このまま平凡に建築の道に進んでいいものだろうかと思っていた。

ずっと当たり前に考えすぎていて、なにか自分の進むべき道なんてのは、これだ。と思うものがあったほうがいいんじゃないかと悶々としていたのだ。

そんなとき、中坊公平さんという弁護士を知る。

まったく興味もなかった法律の世界に、中坊さんに魅了されてしまう。その方は、森永ヒ素ミルク事件や豊田商事事件の弁護を引き受けたとても小さくて大きいおじいちゃんだった。

簡単に話すと、ここから大学院を中退するまで法律の世界にのめり込むこととなる。文章という一番苦手な分野で6年間ももがいてしまう。これはこれで後にとても役立った。建築基準法はある意味文章との戦いでもあるわけだし、読解力の乏しいぼくにはいい訓練となった。

中坊さんが手掛ける訴訟をきっかけに環境問題分野にも関心を抱きはじめるのだけど、これまた先で横道を逸れるさらなるきっかけとなる。それはまた後で。

高校生のときに法律の世界にと決めちゃったものだから、大学4年生のときは就職活動をするものだがそんな同級生を横目に、いや横目にも見えないくらい興味が湧くこともなく、大学院入試の勉強をと、部屋にとじこもって集中していた。元来あほなので、たぶんこのタイミングあたりからかなり勉強するようになった気がする。中学高校のときなんか勉強は心底必要ないと思っていたから、本当にしなかった。6年間ずっと後ろから3番目くらいだった。今になって思う。それはとても誇らしいことだし、本当に必要なときは人って学ぶものだと身をもって理解できたのだから。だから必要ないと思えば必要ないのである。

さて、晴れて大学院に入学することになるが、入学前に不思議な女性からひと言こう言われる。
『君はこの道じゃないと思う。違う専門分野か大学の先生のような…』
すべてあたったわけではないけど、その道ではなかった。あの人は元気にしているだろうか。

だけど、このあたりから出会う人が少しずれていきだした。
社会人を経験して、仕事を辞めてまで入学してくる人たちが大半なもんだから、とても変人が多い。ぼくなんか1年ブランクがあったものだから、フリーターかニートである。勉強していたからフリーターになるのか。

さて、大学院入学後の話はまた後ほど書き記そうと思う。



09.21.2017